『アライバル』文字はないけど、ちゃんと食べれます。

オーストラリアのイラストレーター・絵本作家のショーンタン著。

 
この本の衝撃は、文字がないということ。
 
絵本は、絵がベースにあって文字で説明やセリフが書かれているのが一般的。
 
けど、このアライバルという本は、物語の中にひとつも文字が書かれていない。
それにもかかわらず、ストーリーの流れや主人公をはじめとした登場人物の心情がわかる。
 
よろこんでたり、かなしんでたり。
 
おこってたり、おびえていたり。
 
ほめてたり、さげすんでいたり。
 
いつも絵や写真・映像には、言葉や文字とセットになっているけど、
絵だけでこれだけ伝えることが出来るんだと発見できた。
 
 
人間の表情というのは、世界共通らしい。
 
言葉はそれぞれ国や民族やコミュニティによって違うけど、
表情は同じらしい。
 
表情をつくるには、顔を動かすんだけれども、
顔には30以上の筋肉があって、それらの組み合わせでいろんな表情が作られる。
 
そのことを研究している人もいて、その人を題材にした「ライト トゥ ミー」という海外ドラマもある。
 
言葉では嘘をつけるんだけど、顔の表情には感情が現れてしまうから、
結局嘘を見抜かれる。
 
第六感なんていうのは、こういった表情などの小さな情報を無意識に察知して、
ひらめくように出てくるものなんではないかと思う。
 
たしか本もあったはずで、本棚を見渡してもないので、紹介するのはまた今度にしよう。
 
 
またアライバルの話に戻ると、文字のないこととつながっているのか、
何回も読み返したくなる本なんです。
 
読むたびに少し違うストーリーに見えてくる。
 
一日二日ぐらいでは変わらないんだけど、一年ぐらい間をおくと変わる。
 
大きくではないんだけど変わる。
 
主人公はすごい不安を抱えている印象があったけど、これは好奇心も持っているなというふうに変わる。
 
なんでだろう、すごくおもしろいなと思った。
 
本の中身は変わらないのに、こちらの受け取り方は変わる。
 
読書は、書き手によって作られていると思っていたけど、
読み手の方が主導権があるのかもしれない。
 
同じ本を読んでも、人によって感想がちがうんだから、あたりまえといえばあたりまえか。

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